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グリム百物語(1)
シリーズ
グリム百物語(2)
幼い頃からいつも一緒だったふたり、クリスティーネとイブ。村の大人たちもふたりを微笑ましく見守っていた。クリスティーネが都へ奉公に、村に残ったイブと離れ離れになっても心はひとつ。互いを恋しがる日々を送っていた。しかし。結婚の誓いを胸に3年ぶりに村に帰ったクリスティーネを待っていた現実は、思いも寄らない心変わりだった。かつてイブは、迷子の森で泣きじゃくるクリスティーネにくるみを握らせて言った。これは、願いを叶えてくれる”神様のご褒美のくるみ”だと。泣き止んだクリスティーネを背負って、ふたりはひとつのくるみのようだった。変わらないと信じたあの頃の絆は、本当にもう途切れてしまったというのだろうか。
グリム百物語(4)
この愛は、哀しき純情なのか!?恐るべきストーカーなのか!?アネットは思った。”もし、あたしが氷姫だったらどんなに嬉しいかしら”と。氷姫とは、死のキッスで雪山の遭難者を奪っていく言い伝えの魔物である。アネットが切なく奪いたいのは、その雪山で奇跡的に助かったルーディだった。幼い頃、山の死体捜索隊である父親が連れ帰ったときから彼だけを愛している。しかし、それをルーディに告白することは出来ずにいた。アネットは気が強くひねくれ者ゆえ、村中の女の子たちの人気者のルーディに素直になりきれないのだ。そんなある日、ルーディはアネットに手紙を渡す。『心から愛している』と始まったそれはラブレターだったが・・!
グリム百物語(5)
マーゴットは、おばあちゃんが作ってくれた赤い頭巾がお気に入りで、お人形遊びが大好きな女の子。ある日、おばあちゃんの住む家へお使いに、暗く深い森の奥へ奥へと入っていくと、そこには恐ろしいオオカミが獲物を狙って目を光らせていた。目をつけられたマーゴットを襲う恐怖。「ドーン!」「ドーン!」惨殺されたおばあちゃんの無念と、取り上げられたお人形を取り戻すべく、オオカミに猟銃を突きつけるマーゴットだったが・・・!童話「赤ずきん」の教訓であろう、うかつに個人情報は出してはいけない、優しい言葉には裏がある。少女から大人への階段をのぼるマーゴットは、ちゃんとそれに戒められたのか。
グリム百物語(7)
アーネ姫は、海で遭難した王子を救った恩人として、花嫁に迎えられる。浜辺で介抱しただけなのに、その大げさすぎる感謝に違和感を覚えながらもアーネ姫は舞い込んだ幸運に酔いしれた。しかし、王子を浜辺まで運んだ本当の恩人の存在を知った時・・!真実を告白すべきか、隠し通すべきか!結婚の贈り物に「この国のすべての罪人に恩赦を」と申し出た”心優しいアーネ姫”を国民たちが称賛する中、ひとり、アーネ姫に憎しみを向ける男、ガイが現れる。暗い目でアーネ姫の偽りの恩人ぶりを脅迫しながら、彼女のドレスに手をかける。追い詰められるアーネ姫。愛のために泡となった人魚姫のように、アーネ姫もまた愛の決断を迫られる。